計算問題は解けるのに、文章題になるとかけ算かわり算か分からない。
この問題ってかけ算?わり算?
解決するには数直線を使って考えさせよう。
この記事では、例題を用いて数直線の使い方を解説します。
数直線ってどうやって教えたらいい?と疑問に思う人は、最後まで読むと明日からの授業に生かせます。
↓マンガでざっくり概要をつかむ




数直線とは?
さて、ここから詳しく解説します。
こんな図ですね。

4〜6年生の教科書に載っています。
数直線を用いる場面
・数を整理するとき
・何算か考えるとき
・どう考えたか説明するとき
数直線のかき方
「クッキーが4枚あります。2人で分けると1人分は何個になりますか。」という問題で説明します。
まず、たての直線を書いて、上下に0をかきます。

次に2本の直線を上下にかきます。

下の直線に1とかきます。

今回の問題には1人分と書いてあるので、下の直線の右端に単位を(人)と書きます。

1人分の数は分からないので、上の直線に(1の上に)□とかきます。

6年生で文字を習ったら□ではなくx(エックス)を使います。
問題に書かれている他の数も数直線に書きます。
4枚のクッキーを2人で分けるので、以下のようになりますね。

これで問題を数直線に表すことができました。
数直線の使い方
次は、数直線の使い方について。
まず、1から矢印を書きます。

何倍になっているか書き加えます。

上下の数直線は対応しているので、下と同じ矢印を上にも書きます。

矢印の向きで□を使ったかけ算の式を立てます。
□を2倍すると4になるので、
□×2=4
□を求めるには、

つまり、かけ算の逆の計算、わり算をしてあげれば□を求めることができますね。
じゃあ、例題をやってみましょう。
「A町の人口は4800人でB町の1.6倍です。B町の人口は何人ですか。」(5年小数倍の問題)
さあ、そのへんの裏紙に数直線をかいて式を立ててみてください。
かきましたか?
では答え。

□×1.6=4800
□ =4800÷1.6
□ =3000
となります。
数直線をかいておけば、

ということが分かり、
4800×1.6というミスが防げます。
数直線を教える上で一番大切なこと
数直線を教える上で一番大切なことは、子供に数直線を便利だと思わせることです。
便利だと思ったら子供はどんどん使います。
数直線を教え込むのではなく、活動の中で自然と数直線を使う場面を作っておくといいですね。
例えば、グループに1つ紙やホワイトボードを配って、式の立て方を説明させるとか。
分からない子に教えるために、数直線を使って説明し始めます。
5年生で実際に指導した際には、グループ内で説明させたあとに全体で見合いました。
一人一枚ラベルシールを配り、一番良いと思ったグループに貼りに行かせます。
そうすると、数直線をうまく使って説明しているグループにシールが集まるんですよね。
教師が「数直線使うと式が迷わずに立てられるね!」なんて言わなくても、一目瞭然。
シールがたくさん貼られている=分かりやすいということなので、子供は「数直線って便利なんだな」と気づきます。
シールをたくさんもらったグループは喜んでいるし、次から真似をするグループが出てくるので好循環です。
他にも様々な方法で数直線の便利さに気づかせることはできると思います。
数直線を使った指導ができると、自分の授業の型ができます。
そうなると、持ったことのない学年でも数直線の指導は自信をもってできるようになりますよ。
数直線の指導に不安があるという人は、この機会にぜひ覚えてしまいましょう。

